2012年6月11日月曜日

関西電力大飯原子力発電所再稼働についての抗議と要請

奥羽教区では6月11日、以下の抗議・要請文を内閣総理大臣ならびに経済産業大臣あてに送付いたしました。ここに全文を掲載いたします。


2012年6月11日
内閣総理大臣 野田 佳彦様
経済産業大臣 枝野 幸男様
日本基督教団奥羽教区
総会議長 邑原 宗男

関西電力大飯原子力発電所再稼働についての抗議と要請

 東京電力福島第一原子力発電所事故より1年と3ヶ月が経過しようとしております。また昨月5日に北海道電力泊原子力発電所3号機定期検査に伴う運転停止により、日本中すべての原子炉が停止して1ヶ月が経過しようとしております。今、日本中で「原発再稼働」の問題についての議論が湧き起こっている中、6月8日野田佳彦内閣総理大臣による記者会見において「大飯3号機4号機について再稼働すべきとのことが私の判断だ」との発言がなされました。この発言の根底に「再稼働ありき」の姿勢を見るものであり、強く抗議いたします。
 東日本大震災後、多くの専門家が、度重なる余震の中福島第一原子力発電所4号機が今後重大な事故に発展する危険性を有していることを指摘し、またもしそのようなことが起きた場合もはや取り返しの付かない深刻な被害がもたらされると訴え続けておられます。そのような中、去る5月26日4号機の建屋が報道陣に公開されました。それにより私たちに明らかにされたのは、多くの専門家が指摘する通り、「収束」とは程遠い状況でありました。
 現在も私たちの住む地を含め、各地において国の定める基準値を超える放射性物質が検出され、農作物などの出荷停止が起こっています。また、見えない放射能の恐怖のもと生きざるを得ない方々、愛する場所を離れ生活しておられる方々、これまでの生活、関係・絆が分断され本来負う必要のない困難を強いられている方々がおられる現実を私たちは覚えるものです。総理大臣は「国民の生活を守るために再稼働を」と語られましたが、この言葉は原発事故の被害を様々な形で受けておられる方々を愚弄するものに他なりません。国民の生活とは経済的価値観によるものだけでなく、安全が守られて初めて成り立つものであります。「絶対安全」と言われ続けてきた声、「安全神話」は昨年3月11日をもって崩壊したではありませんか。今放射能の深刻な影響のもとにさらされている人々を前に、どうして「国民の生活を守るために再稼働」と言えるのでしょうか。
 今、日本中すべての原子炉が停止しております。この時を原子力によらない国作りの初めとしてくださることを願います。再稼働ありきではなく、再稼働しなくとも国民が生きることの出来る手段を模索していただき、共にこの困難を乗り越えるべく呼びかけていただきたい。私たちは、神が「極めて良い」とお語りになったいのちに生かされ、その保全を委ねられた者として、再稼働に向けた動きを速やかに停止すべく関係各位とご協議くださいますよう強く要請いたします。

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