2012年6月25日月曜日

福井県知事への要請文


奥羽教区では、6月13日付けで西川一誠福井県知事に宛てて、関西電力大飯原子力発電所再稼働中止を求める要請文を送付いたしました。ここに全文を掲載いたします。


2012年6月13日
福井県知事 西川一誠様
日本基督教団奥羽教区
総会議長 邑原 宗男

関西電力大飯原子力発電所再稼働についての要請

 東京電力福島第一原子力発電所事故より1年と3ヶ月、また昨月5日に北海道電力泊原子力発電所3号機定期検査に伴う運転停止により、日本中すべての原子炉が停止して1ヶ月が経過いたしました。今、日本中で「原発再稼働」の問題についての議論が湧き起こっている中、6月8日野田佳彦内閣総理大臣による記者会見において「大飯3号機4号機について再稼働すべきとのことが私の判断だ」との発言がなされました。そして昨日貴殿が関西電力大飯原子力発電所を視察され、「一定の安全性」が確保されているとの認識のもとに、再稼働を認めたとも受けとめられる発言をなされました。福島第一原子力発電所事故による放射能影響に少なからずさらされ、六ヶ所村の核燃料サイクル施設の課題を有する奥羽の地に生きるものとして、大きな痛みをもってその発言を聞くものであります。
 現在も私たちの住む地を含め、各地において国の定める基準値を超える放射性物質が検出され、農作物などの出荷停止が起こっています。また、見えない放射能の恐怖のもと生きざるを得ない方々、愛する場所を離れ生活しておられる方々、これまでの生活、関係・絆が分断され本来負う必要のない困難を強いられている方々がおられる現実を私たちは覚えるものです。貴殿は「安全性の確保」を認めておられますが、福島の地においても長きにわたって「安全」と叫ばれてきました。「絶対安全」と言われ続けてきた声、「安全神話」は昨年3月11日をもって崩壊したではありませんか。福井県の皆様をはじめすべての国民が放射能被害の危険から守られるためには、「安全を確保しての再稼働」ではなく、再稼働させない道を選び取る他ありません。
 今、日本中すべての原子炉が停止しております。この時を原子力によらない国作りの初めとしてくださることを願います。再稼働ありきではなく、再稼働しなくとも地域経済を発展させていく道、安心して県民・国民が生きることの出来る手段を模索していただき、共にこの困難を乗り越えるべく呼びかけていただきたい。私たちは、神が「極めて良い」とお語りになったいのちに生かされ、その保全を委ねられた者として、再稼働に向けた動きを速やかに停止すべく関係各位とご協議くださいますよう強く要請いたします。

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